ビジネスモデル特許

昨日もビジネスモデルに関する相談を受けました。以下、実際の話とはかなり違いますが、皆様のご理解の助けになればと思います。

問題はある業界の会社にIT関連の会社が吸収されたことから始まりました。IT会社の社長(以下、Aさんと呼びます)が以前のクライアントにいた関係でうちに相談に来られました。

Aさんは業績の好調な吸収先の社長と知人であり、手助けのために入社して欲しいと言われたものの、自分の会社もあることから、全部を吸収してもらいました。

Aさんがその新しい会社で思ったのがITの遅れのすごさだそうです。子会社からの一日の経営報告を手入力でエクセルに入力する作業を含めて驚いたそうですが、その業界がそのようなものだということもあり、やることが多くて面白そうだとは思いました。

その会社が新たな発想で売り出すものが一つのビジネスモデルといえそうで、みんなが大変乗り気だそうです。でも、一度他の人が知ってしまえば同じことはいとも簡単にできてしまうというのが問題でした。

そこで「取れない特許を特許にする」式のアプローチをするわけですが、それを有力にするために考えた一つが、折角IT会社が手助けするのだから、IT会社としてこのビジネスモデル用に提供できるツールを特許にしたらどうかということでした。

すなわち、このビジネスモデルを展開するにあたって、当然必要になるような、当然便利になるようなツールを特許にするわけです。そして、このようなツールはこういったIT会社に対してゼロから作成してもらおうとすると市販ソフトの10倍から100倍くらいの費用がかかります。

また、費用以上に問題なのが完成させるための打ち合わせや、使ってみて不便と感じる点を修正するのに必要となる時間です。今回の場合はIT会社が吸収されることで本体と一体となり、その中で作っていくことになりますから、最初からこういった作業をこなして完成できます。

この会社はこのソフトを使わせないための特許ではなく、使ってもらって収入を得ることを考えています。最近はソフトを買ってもらうのではなく、WEB上で使ってもらって課金するシステムも多くなってきています。

最初はビジネスを真似させないようにしようとする試みでしたが、守れないビジネスモデルなら積極的に使ってもらおうかというアプローチも視野に入ってきたわけです。

今回もそのような形を採用しようかと、次から次へと発想が沸き、大変面白い打ち合わせになりました。

M&Aと知財が関連する一つのビジネス展開として面白いと思いませんか?
2007年03月06日 16:46