人命と特許

国境なき医師団のHPで以下のようなメッセージが掲載されています。

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人命は特許に優先する:危機に晒される数百万人の命 ?安価な医薬品へのアクセスを守るための署名のお願い?

現在、世界各地の数百万の人びとが、インドで製造されている安価な医薬品に頼っています。インドの特許法には特許より人命を優先させるための原理が含まれています。しかし、ノバルティス社はインド政府に対し特許法の改正を求めて訴訟を起こしています。ノバルティス社も、また他の製薬会社も、人びとが必要な医薬品にアクセスする権利を妨げるべきではありません。私たちはノバルティス社に対し、直ちにインド政府に対する訴訟を取り下げるように求めます。

人命は特許に優先します。数百万人の命が危ないのです!
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皆さんはどう思われますでしょうか?

特許が悪者扱いされているようで私はどうかと思います。というのは、私は問題をすり替えているように思うからです。

「人びとが必要な医薬品にアクセスする権利を妨げるべきではありません。」とはいうものの、アクセスを妨げているわけではなくてお金さえ払えばいいのだから、お金を払って下さいというだけのことだと思います。

人命救助なんだから政府がお金を払えばいいんです。政府が借金してお金を払えばいいのであって、それを一企業に肩代わりせよいうのはどうかと思います。お金を払おうとしない政府に対して憤るべきではないでしょうか?

私は、これでも一応、国境なき医師団のスポンサーなので、ちょっと強気です。いつも寄付していますが、そのお金を使って薬を買って下さればと思います。もちろん、大きな金額ではないのですが、同等の金額で、FeedTheChildrenでの寄付については、私は1年間で500人とか1000人とかの飢餓の子供を救ったとかいって感謝状をくれます。

FeedTheChildrenは送る食べ物については寄付でたくさん貰えるそうですが、輸送費にお金がかかっているようなことも言ってます。輸送する業者を含めてちゃんと払うべき相手にはお金を払っているわけです。

国境なき医師団がお金を払おうとしない対応(?)は私としてはどうかと思います。同じ人命を助けるという志については私も感銘するので寄付はしますが、医師だからといってお金のことは他人任せのような対応はどうかな?。

というわけで、特許は国によっては取れないものがいくつかあります。日本も物質特許というものを以前は認めていませんでした。最も大きな理由は、日本がまだ工業が遅れて開発途上国であった時点(?)で化学品関係の特許を外国に押さえられてしまわないようにすることでした。上に述べたような医薬品もそれには含まれます。

現在は、プログラムの扱いが似たような状態にあります。プログラム自体は特許にはならないとする国がまだまだあります。ただ、変な話でプログラム自体はダメだけれども、プログラムが書き込まれたCDとか、DVDとか、フロッピーディスクは特許になることが多いのです。

プログラムというと実は範囲が不明確なので、このような記録媒体としての配布などには特許が及ぶようにすることができます。お店で売っているオフィス用のプログラムなどは、記録媒体として特許を取られていて、勝手に同じものを作って販売することは特許法上もできません。むろん、著作権上の保護もあります。

でも、今、ある国で特許の対象となっていないからといって、数年先でもまだ特許が取れないとは限りません。プログラムも今は過渡期ですが、2?3年先にはプログラムとして特許を取れるようになるのかもしれません。

従って、今、取れないからといっても、プログラムについてのクレームも書いておくべきです。取れないはずの対象も、取れる対象と共に書いておくべきです。

当所でも、数年前からプログラムのクレームを書いています。テクニックとしては最初のクレームにXX装置と書いておき、後の方のクレームでXXプログラムというように書きます。
2007年02月27日 18:15