スイスアーミーナイフ

私は工具が好きです。持っているものは特に多いわけではありませんが、「これがあると、あーいった時に便利だろうなー」なんて思って買ったりしてしまいます。買ってから一度も使っていないものもいろいろあったりします。

最近、特に凝っているジープですが、先日、フェンダーを替えました。作業は自分でやってこそ楽しいのですが、どうしても外れないネジがありました。何年も前に買って一度も使わなかったディスクグラインダーでネジを削り取り、火花と化して一件落着です。ざまーみろ、ガハハです。

そんな私の最近の悩みはいわゆる「五徳ナイフ」の持ち運びに制限があることです。五徳ナイフは、スイスアーミーナイフなどとも呼ばれています。昔ながらのものであれば、ナイフ、はさみ、栓抜き・・・といったものが付いているあのマニアックなものです。

目にとまる範囲で壊れているものは直したくなる方なので、ナイフも含めてそこそこ役立ちます。最近のものにはLEDライトがついていますから、暗いところでも手元を照らせて便利です。緩んでいるネジをみつければドライバーで締め付けるということも良くします。

ですが、これを持っていると飛行機には乗れません。スイスアーミーナイフ社絶体絶命の危機到来です。しかし、スイスアーミーナイフにはなんとUSBフラッシュメモリが付いているものがあり、飛行機対策でナイフは一切付いていないという、アーミーナイフなのにナイフは付けてないようなものも出しています。

こんなに便利なのにテロのために飛行機には乗れません。以前は、刃渡り何センチ以下という条件のもと、小さな五徳ナイフは持ち込めました。今も、機内持ち込みでなければ飛行機には乗れますが、場合によっては小さな荷物のときもあり、五徳ナイフのためにバッグを預けるというのも面倒です。

愛しのスイスアーミーナイフ、なのですが、世知辛い世の中になったものです。

特許としてこのようなナイフを考えると、以前は考えられもしなかったツールを組み合わせたとしてもそのことだけでは特許は取れないと思います。ただ、そのことと、そのツールをスイスアーミーナイフに取り付けるのには今まだにない困難さがあってそれを克服して取り付けられたということとは全く違います。

過去にはなかった新しいものが世の中に出てきて、それをスイスアーミーナイフの一ツールとするということでは特許は取れません。例えば、以前はUSBフラッシュメモリなど存在していませんでしたから、スイスアーミーナイフに組み合わせることは新しいと認めてはくれます。

でも、新しいツールが出てきたらスイスアーミーナイフのように他のツールと一緒に持ち歩けるようにしたいと考えるのは容易だということになります。

ただし、「フラッシュメモリをの電気的な特性を考えると、他のツールと電気的に導通してしまう以前の組み立て方では困る。フラッシュメモリに関してはかならず非導通となりつつ容易に閉まったり出したりする組付方が必要だ。だから、今回はここを工夫した。」ということになれば、特許になり得ます。特許では「進歩性がある。非自明性がある。」という言い方をします。
2007年02月08日 19:20