特許の調査

我々の業務の一つとして特許調査というものがあります。目的は、大きく分ければ、新たに開発した商品が他社の特許に引っかかっていないかを判断するための侵害調査と、新たに開発した商品が特許をとれそうであるかいなかを判断するための新規性調査とに分かれます。

新規性調査は、皆さんにも大いに利用していただいて良いかと思います。例えば、自分が何か良いものを発明したと思われたときなど、特許庁のホームページで比較的簡単にできるからです。

特許庁のホームページ(http://www.jpo.go.jp/indexj.htm)を開くと、下の方に特許電子図書館と書いてある部分があるのでココをクリックします。特にリンクが張ってあるボタンのような表示ではありませんので、この特許電子図書館の文字を探してクリックします。

続いて「初心者向け検索へ」をクリック。「特許・実用新案を検索」をクリック。

すると、次のページで上下二段に二つの検索ができるようになっており、上の段では『「技術用語」「出願人」「発明者」を検索する場合にご利用いただけます。』と書いてあり、これらに関するキーワードで検索できます。あらかじめ特定の特許公報の番号などを知っていれば下の段の検索を利用しますが、今回の目的だと上の段の検索を行います。

キーワードって何かと思われるかもしれませんが、二つの例が記載されています。

例1.「コンピュータ」と「携帯電話」が両方含まれている特許を検索する場合、ワードに「コンピュータ 携帯電話」と入力し、「の全てが含まれる」を選択して検索実行します。

例2.「コンピュータ」と「携帯電話」のいずれか一方でも含まれている特許を検索する場合、ワードに「コンピュータ 携帯電話」と入力し、「のいずれかが含まれる」を選択して検索実行します。

例1はAND検索といって入力したキーワード全てが含まれているものを検索します。例2はOR検索といって入力したキーワードのどれかが入っているものを検索します。

例えば、漠然と「コンピュータ」と入力しても検索される数が多すぎ、全ての資料に目を通すことが不可能となります。なので、コンピュータを使った視力回復のトレーニングに関するプログラムを調べたいと思ったようなときは、「コンピュータ」&「視力回復」&「トレーニング」で検索をかける必要があります。

このとき、入力するときに&は不要で、単に「コンピュータ 視力回復 トレーニング」とスペースで隔てて入力することになります。

一方、コンピュータですが、ある人はコンピュータと呼びますし、ある人はPCと呼びますし、またまたある人はマイコンと呼ぶ人もいます。そんなとき、「マイコン」だけで調査すると恐ろしく少ない数しか見つからないことがあります。

従って、まずはOR検索で自分のキーワードが適切かどうかを見るためにも「コンピュータ」OR「PC」OR「マイコン」で調査をかけることが良いでしょう。このときは、「コンピュータ PC マイコン」と入力します。

最初の空欄にこれらを入力したら、その右隣に「の全てが含まれる」という表示がありますから、AND検索ならこのまま、さらにその横の「検索実行」をクリックします。また、OR検索なら「のいずれかが含まれる」の表示に変更させてから、その横の「検索実行」をクリックします。

最初の例で「コンピュータ 視力回復 トレーニング」と入力したところ、
「コンピュータ 視力回…」に関する技術は 0件 でした。
●特許  ・・・ 0件
●実用新案・・・ 0件
と表示されました。本当に0件である場合もありますが、キーワードが悪い場合も0件となります。

なので、念のために「トレーニング」という言葉を「訓練」に変えて「コンピュータ 視力回復 訓練」という検索と、敢えて「コンピュータ」を除いて「視力回復 トレーニング」とした検索をしてみます。

前者ですと、
「コンピュータ 視力回…」に関する技術が 2件 見つかりました。
●特許   ・・・ 2件
●実用新案 ・・・ 0件

後者ですと、
「視力回復 トレーニング」に関する技術が 9件 見つかりました。
●特許   ・・・ 7件
●実用新案 ・・・ 2件

と表示されました。

このようにキーワードを減らす、キーワードを同義語で変えてみるということで、検索結果は容易に変化します。調査をするときはこういったことにも気をつけて一回の調査だけで満足しないで引き続きキーワードを変えてやってみることも大事です。
2007年01月25日 10:01