優先権

外国出願するときに優先権が「すべての人に」与えられている。優先権などと聞くとなにやら嬉しくならないだろうか。では、この優先権とは何か。

例えば日本の人が日本の特許庁に特許や商標を出願したとする。優先権は、後で同じ特許や商標を外国に出願するときに、日本の特許庁に出願したときにその外国に出願したように遡って扱われる権利。

2006年11月1日に日本に特許出願をしたとすると、1年後の2007年11月1日までに外国に出願すれば、2006年11月1日にその国に出願したのと同じ扱いを受ける。特許は1年間認められ、商標は6ヶ月認められる。

なぜこのような仕組みが有効なのかと言えば、通常は特許や商標の出願は早い者勝ちだから。早い者勝ちの世界で外国でも出願しようとすると、準備が大変になる。急ぐあまりに不備な出願もしかねない。そこで条約を結んでこのような不利をカバーしようということ。

条約なので加盟国でしか効果はないが、このパリ条約に加盟している国は100カ国以上で、ほとんどの国に対して有効だ。台湾は加盟していないが同じ効果が得られる扱いとなっている。私は台湾は好きな国だ。行ったことはないが。

外国に出願するにはいくつかの方法があり、この優先権だけを使ってその国に直接出願する方法をパリルートの優先権出願と言うことが多い。出願する国の数が1?2カ国であるならこのルートが安上がりと言われている。

別の方法についてはまた別の機会に。
2006年11月25日 12:17