実用新案特許

こんな言葉はないのだが、世間の人はこの方がなじみがあるようで、よく「私の発明はたいしたものではないので実用新案特許をとりたい」といった相談を受ける。

そもそもの始まりの時点では、特許と実用新案の区分けとして、日用品は実用新案というような考え方はあった。そのため、実用新案は、少し安価で、存続期間は短くされていた。

しかし、実用新案法はその後、行政の勝手で翻弄され、今はとても限られた用途にだけ使用されるようになっている。なので、発明が大したものか大したものでないかにかかわらず、普通は特許として出願することを薦めている。自信を持って特許出願してください。

ちなみに、特許とは別に実用新案という制度がある国は少ない。行政の勝手というのは、以下のようなものでした。

まず、特許と実用新案の二つの制度があるのは煩わしいということで、実用新案をよく使っていた企業に対して「あなたのような大企業が経費節約のために実用新案を多用するというのはいかがと思う(あまり出願するな)。」という意見を伝え、実用新案の出願が減った時点で「このように国民は実用新案が特許と別にある必要性を感じていない」として実用新案を全く別の制度(手を抜ける制度)に変えた。

実用新案を残しつつ特許庁は手を抜けると思ったところ、思ったほど使ってくれないので、今度は焦った。そこで、実用新案出願をした後で、特許出願に変更できるというような「使い勝手のよい」制度にした。

とはいっても魅力のある制度か否かは上のような私の薦め方から分かると思う。
2006年11月23日 17:11