もう少し商品の話

区分の話が出たので、ついでにもう少し商品の話。

商品と関連づけて登録するといっても、個別の商品について各人が個別に勝手に商品を指定していると整頓がつかなくなる。なので、予め商品をいくつかの分類に分けてあり、この商品分類ごとに出願する。

例えば、第一類は化学関係、第九類は産業機械、第十二類は乗り物といったところ。以前は、商標というものは形ある商品だけを対象としていた。しかし、サービスのような形のない商品にも必要ということで、ある時期からサービスも商品となり、それまでの34類から45類に増加し、さらに、3類追加されて48類となっている。

おまけだが、サービス業だと商標登録ができなかった時代でも、出版物を指定商品として商標出願することが通の間では行われていた。旅行代理店も旅行の手引きなどを印刷物として用意し、無料であげるものであるとしても、裏には100円とか書いていた。

サービス業の会社で第26類で商標登録しているとすればその名残。今の制度で正しい分類で登録し直していればよいが、登録し直していないとか、第26類のままで更新しているとすれば本末転倒なので要注意。

ところで、簡単に分類が分かればよいのだが、そうとばかりもいかないのがサービス業。いろいろやっていて分かりにくいところがあるし、サービス業の中でも本業のように見えるところではお金を取らず、付随的なところでお金を取っていたりするものもある。

以前はこのような場合にはきちんと話を聞いて、「それではどこでお金が動くんですか?」と聞き、その分類で商標出願するように導く。

お金が動くことにこだわるのは、商標というのは使用していないと取り消しされることがあるから。使用しているというのはその商品に使用しているということであるし、証明するにも業務に関するものを提出するから。無料でやっている部分ではこの証明がしにくい(できないわけではないが商品との関係が希薄になりがち)。

WEB等ではいろいろなサービスをしているようでも結局は広告で費用のすべてがまかなわれているとすれば、広告業が主ということになる。有料の会員制の情報交換ということを目指しているならばそのようなサービスを指定商品とすることになる。

ただし、複数の分類に出願すれば費用もかかる。一番コストセーブにしようとすればどちらにするか。本業か、広告業か。本業を変えることはできても、広告業を取らないとお金は入らないと考えるか、本業を変えるなら商標も変わるので本業を取らないと意味がないと考えるか。
2006年11月20日 17:09