「これはクレームすべきでしょう」

 発明者との打ち合わせの際には、我々はよく「ここはクレームするべきでしょう」とか、「ここもクレームされたいですか?」などと話す。

 ??と思われる方がときどきみえる。内心、(この人は特許出願する前から文句を言うことを考えているのだろうか?)、(特許庁にそんな文句を言ってしまったら特許してもらえるんじゃないだろうか?)、(変な特許事務所に来ちゃったな。どうしよう。)・・そんな風に心配になっているかもしれない。

 特許とは、特許請求の範囲に書いた「自分が発明と思う説明書き(宣言部分とでもいおうか)」によって決まる。この部分は、箇条書きに第一に・・・、第二に・・・というようなものがあり(それぞれを請求項という)と書き、それぞれをこの業界ではクレームという。

 なので、クレームするというのは、「ここはあなたの発明であるということですから、特許請求の範囲の一つとして書きましょう」という意味になり、クレームされたいですかというのは、「ここもあなたの発明として、特許請求の範囲の一つとして書いた方が良いですか」という意味になる。

 クレームするというようなことを頻繁に言う特許事務所は決して文句いいではありません。

 「OAが来た」、「OAに対応する」というのも、特許事務所内では頻繁に飛び交う言葉。事務所をOA化しなさいという通知ではない。同じ意味で「アクションが来た」、「アクションに応答しなくちゃ」とも言う。やや、俗語的な表現。

 これらはアメリカ特許庁から送られてくるOffice Action のこと。特許庁から、「あなたの発明は次の理由で特許することができない」とか、「あなたの発明は方式的に誤っているところがあるからそれを修正すれば特許することができる」といった通知が来る。この通知のことをアクションと呼んでいる。

 特許庁からOAの指令が来たと言われても、あわててパソコンやコピー機を購入しに行くような必要はないです。

2006年11月13日 14:56