右から左へ

日本の特許出願件数は他の国と比較して多い。滅茶苦茶多い。
日本にいるときはあまり気が付かなかったが、こうやってLAでも生活するようになって思ったのが一般の人の「気のつかなさ」。「よく気が付く人だねー」のあの気の付く、付かないである。

言い方はいろいろでも、発明というのは要は不便なところを見て便利よくするということの一つの現れ。気が付かない人種には発明もさほど生まれないということか。

今日、書こうと思ったのは日本の企業の研究部門で与えられる「発明件数」のノルマ。あーだこーだ言っても企業となると発明が生まれるのを待っていては出てこないというのも現実(ただ、出てこないのは別の要因がある。この話は別の機会に)。

なので、ノルマを課す。家電業界などはすごいもので、平均的には一人年間一件出せばよいとしても、10人の部署で10件出すのは大変。ましてや熟成した分野ではより大変。

テレビなんか何十年も同じようなものなので今更何が出てくるってくらい難しい。そこで出てくるのは、「今まではコピーのスイッチが右にあった。しかし、今回私が考えたのはスイッチが左にある。」というようなもの。どうして不便で、どうして便利になったかはいろいろ付け加える。企業で本当にあった話。ノルマが大変なのは営業だけじゃない。
2006年11月09日 19:36