だめ押しの特許

どんな特許が有効な特許かと言われたときに、我々が考えるのは「極めて当たり前の特許」と答えると思います。「えー、こんなものが特許になるの?」というものであれば、もう最高の特許です。一般の方であれば、これまで世の中になかった偉大な特許こそが最高の特許と思われるのではないかと思います。

でも、実際には「そんなことはこの製品を作るのに当然であって絶対に避けられない」という発明の方が厄介です。昨今、白色発光ダイオード大流行ですが、白色ダイオードを使った極めて当然とも言える発明が特許になっています。これはもう避けられません。

ただでさえ厄介なのは言うまでもないですが、そこでだめ押しがあります。特許出願をすると、最初に自分が「これこそ私の発明」と思って書いた発明以外にも、その書類の中から別の発明を抽出することができ、その場合は分割出願という手続きをします。

この白色LEDの発明者は、最初に特許になったもの以外に2つも発明を抽出して特許になってしまいました。不思議なことに後に分割出願した方がやや広い発明になっています。米国でなければ通らなかった発明ではあると思いますが、この特許、偉大です。
2006年11月08日 01:26