中国で松阪牛ブランド?

中国で松阪牛を真似た商標が登録されているそうです。また、松坂牛というように阪の字を変えた商標が現在審査中との情報もあるそうです。

後者は日本で松阪牛が地域登録商標として登録されていることもあって異議申し立てによって登録されることを防げると思います。

問題は前者。商標というのは、当初は無効理由があったものでも、登録後、5年経過するとそのような無効理由によっても登録を取り消せなくなります。

なぜか?それは商標が世の中の混乱を防ぐという意味合いを持った制度であり、事前に、混乱の原因となるパターンを拒絶理由としてあげています。それに基づいて本来は審査されるわけです。

それが看過されて登録されたにしても、5年の間も誰も文句を言わなかったというものなら問題はなかったのでしょうという考えられます。さらに、5年間も使用してくれば、その使用者の信用も化体してくるので、その信用の保護も必要です。

そんなわけで5年たつと無効にできません。

これを逆の見方で説明しますと、5年間はおとなしくしておき、5年間たったら堂々と使えば文句を言われる余地がなくなります。

そこそこ有名なブランドを真似た商標を出願してうまく登録を受けられてしまった場合、速攻で相手に権利侵害を訴えるのではなく、5年間は文句は言わず、5年間たったら文句を言うというのが安全な方法とも言えます。

今回の中国の企業(レストランだそうです)のねらいはどうだったのでしょうか?日本の松阪牛を知ってのことであれば、狡猾な相手かもしれません。そうではなく、偶然のことであったならラッキーだったといえます。
2008年11月19日 23:41