特許相談

日本では特許相談ということをやっています。私は名古屋市に事務所があるので、名古屋の商工会議所にある弁理士会東海支部で相談を受け持ちます。1年に3回くらい順番が回ってきます。

以前は相談場所で待っていても誰も相談に来なかったのですが、最近は数件の相談があります。相談の合間に仕事をしようと思ってノートパソコンを持っていっても開く暇がないということもあります。

試作品を持ってこられる人も見えます。日用品についての試作品が多いように感じます。女性の方が多いですね。女性の方が作られる日用品の試作品なのですが、このような日用品は特許で必要な新規性の判断がとても難しいのです。

ハイテクっぽいものは割と新規性の判断がしやすいのです。世間のいろいろな技術に注意を向けていれば、だいたい分かります。「これは新規性がありそうですね」とか「最近はこの手の出願があるようですよ」とか。

これに対して日用品は判断できません。ヘアバンドっぽいものを持って来られ、「女性にとっては普段すごく大変なんですけど、これを使うと便利なんですよ?」なんて効果を教えてくださります。

こういったときに「そうですね?」なんてうなずいて出願を勧めてしまうのは大変危険です。「私は大変すばらしいと思うのですが、日用品に限って言えば新規性があるかないかは調査しないと何とも言えません」とお答えします。

今は調査といってもパソコンを使えば特許庁で無料でできますし、商工会議所の地下には発明協会というものがあり、そこでは調査を手取り足取り教えてくれます。なので、こういった相談をされる方にも発明協会のことを伝え、すぐ行ってもらうようにします。

それで「もし、見つからなかったらもう一度ここにあがってきてください。あなたに一番適した出願の方法を考えましょう」と言って、下に行ってもらいます。

今までの経験ですと、再度、上がってきて出願の方法を相談に来られるということは無いようです。調査の結果だめだったのでしょうかね。
2008年06月23日 21:54