こんな貢献の仕方

特許の出願のためにはいろいろな書類を作る必要があるし、実際に特許庁に提出するための作業も必要となります。ですから、手数料をいただいてます。最も価値のあるのはノウハウのようなもので、具体的にはそれを使って特許請求の範囲と、明細書と、図面を作成するところです。

ただ、熟練してきますと、時間という資源は失われるものの、書類の中身を作るのはさして苦でもありません。それに、興味のあることなので、やりたいという気持ちと仕事のバランスをとろうとするのであれば、昼間はだめでも必要なら夜中に作ってもいいわけです。

こうやって特許事務所を20年もやってこさせてもらっているので世の中に対して感謝の気持ちもあります。日本やアメリカの将来に貢献したいなとも思います。自分に何ができるかと言えば、この特許の明細書などを作ることなら朝飯前といえます。

ところで、特許出願には費用がかかります。技術開発の過程でよい発明を守らないといけないものの、費用対効果の観点から、初期段階から特許を十分にとっていくことはできません。そこでいつも思うのが、特許の権利を半分もらう代わりに、出願の手数料の大半はただにするという交換条件です。

大半というのは、いい加減な気持ちで依頼されては困るので、特許庁などに支払う費用は発明者に負担してもらい、それ以外の費用を私が持つということです。私が負担するといっても、先に説明したように時間だけの消費なので、夜中にやればいいわけです。

そんな風にして、エネルギー関係の発明の特許化に貢献できればいいなと思うのですが、現実には障害があります。

一つ目は双方代理。こういった仕組みを事務所が提供したとすると、複数の人が同じ分野の発明について私に代理を頼むことになります。しかし、互いに係争になりうる人たちについて私が両方の代理をすることはできないのです。

そのことについては一つの解決策として、それらの人同士の間で納得してもらえばいいのですが、既存の大事なクライアントと競合してしてしまう可能性があり、そうなっては大変です。義理が立ちません。

二つ目は特許事務所が自分のために特許出願をすることに対するわだかまりのようなものです。これは現実にあるのかないのか分かりません。しかし、ある人は、自分のために特許出願している特許事務所に相談すると、発明を盗まれてしまうのではないかと不安になるというようなことを言っていました。

そんなことをするわけはないのですが、確かにいろいろな人がいて、発明相談の場でさえも確信を話そうとしない人もいらっしゃいます。

私は海を利用した資源開発やエネルギー開発に対して非常に興味があり、こういった分野で力量を発揮できないかと思っているのですが。
2008年05月28日 21:34