ナゴヤメシ

最近、名古屋方面では「ナゴヤメシ」ということばがローカルな雑誌で使われています。他の土地でも使われているのかもしれませんが、たぶん、ローカルだと思います。

ナゴヤメシというのは、愛知県あたりのローカルなメニューです。これまでは、特別自慢するようなものではないと考えられていたのですが、最近は我々(ローカル人)の間でなぜか注目されています。

あんかけスパゲッティとか、ひつまぶしとか、みそ煮込みうどんとか、そんな感じでしょうか。あんかけスパゲッティというのは、文字通り、あんかけ状のソースが特徴的です。

ただ、ゆでた後、少しだけ油で炒めておいたスパゲッティが予め巨大な電子ジャーに入れて保温されており、お客さんが選んだメニューのトッピングを麺の上にのせ、その上にあんかけ状のソースをかけるだけです。

茹でたてというわけでもなく、トッピングをのぞいて同じ味のソースがかかっているわけで、なぜこんなものが?というものなのです。それでも、今では立派なナゴヤメシで、レトルトのソースまで売っています。

そこで、ずばり、「ナゴヤメシ」は商標登録されているのか?という素朴な興味心から商標調査をしました。なんと、出願されていません。9分9厘、登録は無理だから当然といえば当然ですが、こんなときこそ出願している人はいるはずと思ったので、少し意外です。

では、「ひつまぶし」はどうか?ということで調べてみました。いわゆる鰻屋の商標という意味で分類を絞りましたら、以下のようなものが見つかりました。

1.
登録4178930  びんちょうひつまぶし?備長ひつまぶし
登録5065083  ひつまぶし名古屋備長
登録5065084  ひつまぶしびんちょう?ひつまぶし備長

2.
登録4586398  浅草∞§ひつまぶし 01 アサクサヒツマブシ,ヒツマブシ

3.
登録4601986  かんえいきんやひつまぶし?寛永金屋ひつまぶし

4.蓬莱軒
商願2005-121903 ひつまぶし 01 ヒツマブシ
(登録1996631  ひつまぶし 01 ヒツマブシ)

1?4に分けたのは、権利者別です。4は名古屋でも有名なお店の蓬莱軒が出願しているようです。1?3は名古屋の老舗かどうか分かりません。

面白いのは名古屋で老舗といわれている蓬莱軒は非常に古いものを持っているのですが、これはサービス業で商標が取れる前のもので、レストランとして取れているものではありません。

そのためか、2005年に新たにレストランとして商標出願しています。しかし、その頃には他のお店が「ひつまぶし」を含んだ商標を出願して登録を受けています。「ひつまぶし」を含む商標が別々の人に登録されているので、この部分には商標の識別性はないというのが特許庁の判断だと思います。

しかし、蓬莱軒は敢えて2005年に「ひつまぶし」そのものを出願しており、これがまだ最終処分となっていないのです。つまり、拒絶が確定していません。たぶん、審査では拒絶の処分を受けているものの、上級審での判断を仰いでいるのだと思います。それで時間がかかっているのでしょう。

ひつまぶしの老舗といわれている蓬莱軒が商標を取れるのかどうか興味がわきます。ちなみに、私はひつまぶしはさほど好きではないです。長焼きでは食べられないようなうなぎで、お薦めではありません。最大のお気に入りは浜松にあるお店ですが、秘密です。
2008年05月03日 21:14