特許公開公報ブラウジング

amazonでキンドルを買いました。最近はeBooksを購入して携帯電話に入れて読むようになってきていたので、クリスマスの頃から欲しかったのですが、なかなか買えませんでした。しかし、ここに来て生産が追いついてきたようで送料無料で買えました。

まだまだ問題は残ってはいるものの、紙メディアと電子技術がいい感じで融合した感じです。私はどちらかというとキンドル肯定派です。

ところで、特許出願をすると、その出願内容は1年6ヶ月後に公開されます。特許公報というものが発行されており、それに掲載されます。

昔は、各地の県図書館にはこの特許公報が並べられている一角がありました。すごい量の公報が保管されて見事に並べられており、プロの特許調査員や、会社の特許担当者がせっせと特許調査をしていました。

我々(弁理士)が直接特許調査を行うことはあまりありませんが、よく似た技術を知るために特許公報を見に行くことはときどきありました。特許公報は同じ技術分類のものをまとめて発行されるので、技術分野を決めて公報を探すと同様の技術についての資料をたくさん見れるわけです。

ペラペラと公報をくくっていきますと、説明と図面を見れます。図面を見ればだいたいのことは分かるので、「こういったアプローチもありなんだな。」と感心しながら瞬時に知識が増えていくわけです。

愛知県の県図書館から特許公報の一角が無くなって久しいですが、無くなると知ったときは何か胸を引き裂かれるような思いがしたものです。

今はペーパーの公報も出てはいるのですが、調査だけを考えれば電子図書館で調べるのが効率的ですし、特許庁もそれを前提としていてペーパーベースのものは極めて限られたところにしか置いてありません。

でも、電子図書館では目的の技術にたどり着くのは早いのですが、先のような方法で知識を得ようとするのは大変です。やれなくはないのでしょうが、紙のようにペラペラと頁をくくるだけでどんどん知識が蓄積されるということはありません。

インターネットの利用が便利になってきて、学生の論文はインターネットでヒットしたことをペタペタと貼り付けていくだけになってきているという報告もあります。ただ、インターネットによるブラウジングで知識が増えることも確かではあります。

インターネットのブラウジングと、県図書での特許公報のブラウジングは、基本的には同じところはあるのかもしれませんが、なぜか後者の方が肯定的に感じるのはなぜでしょうか。
2008年04月30日 21:09