郵便局がなくなって

特許出願などの願書は、郵便で出した場合は、郵便局に差し出した日に特許庁に到着したとみなされます。到達したということは、その日が特許出願日となるということです。

例えば、同様の内容で他の人の出願と競合した場合は出願日の早い方が生き残り、他方は特許にはなれないということです。出願日の効果はこれ以外にもあります。

他にも特許庁から送られてくる書類には応答期限が定められている手続きがありますが、これらも郵便局に差し出した日付で特許庁に到達したものと見なされていました。

なぜ、到達したものと見なされるのであって、その日が有効と簡単に言わないのかといえばいろいろ理由があるのでしょうが、簡単に有効といっても何が何に有効なのか言わないと意味がありません。到達したという効果だけ言っておいて、他の規定では到達した日で判断するという言い方をしているのでしょう。

日本では、これまで郵便局が国営ということもあって特許法では郵便で差し出した場合にこのような特別扱いがありましたが、郵便局が民営化されて、若干、変化がありました。

以前であれば、郵パックは郵便物であったので、郵パックで出願しても、郵便局に差し出した日付が特許出願日となりました。エクスパック500というのは、郵便局で売っている大きめの封筒を使う場合、何を入れてあっても、どこへ出しても500円という郵便物でした。これも同様の扱いでした。

しかし、その規定は変わり、「郵便物又は信書便法第二条第三項に規定する信書便物(以下この条において「信書便物」という。)」の場合だけがこのような取り扱いの対象となります。

いままでの小包郵便物と言われる、「ゆうパック(一般小包)、EXPACK500(エクスパック定型小包)、ポスパケット(簡易小包)、冊子小包」は、これまでは以上の特別扱いを受けましたが、今後は受けられません。と言っても「冊子小包」なんて「そりゃ元々無理でしょう」って気もしますが。

普通の事務所は、書留郵便で出しているので、通常はあまり影響はありません。強いて言えば、拒絶理由に対して提出する書類に証拠とすべき書類が多くなって書留郵便よりも郵パックの方が安いというようなときに、郵パックは考慮しないでもありませんでした。

しかし、なんというか「書留」という言葉の持つ重みといいましょうか、それに比べて「郵パック」という言葉の軽さからして、多少郵便代が高くなったとしても郵パックで提出するようなことはないです。
2007年12月09日 22:17