開発企業とスポンサーの関係

特許のスポンサーになることを検討する場合、具体的に何をすれば良いのかが分からないと、検討すらできないということもあると思います。

とは言っても、両者の関係は自由な契約関係ですから、これといったものがあるわけではありません。そこで、色々な状況を想定して考えてみたいと思います。

日本国内に双方がいる場合、開発企業は日本国内でスポンサーは米国にいる場合。これだけでもいくつかのパターンができてしまいますが、当面は開発企業が日本国内にいて、スポンサーが米国にいる場合を想定してみます。

1.開発企業は国内での開発、製造、販売に専念し、スポンサーは、権利を得て自ら製造、販売等を行なうパターン。

スポンサーが資金面で余裕があり、かつ、事業を拡大したいといった場合などが該当すると思います。特に、スポンサー側は取り敢えずのヒット商品を持っているものの、将来の継続性に不安があるということがあります。

このような場合、当面の利益を開発企業に支払うことで米国での実施権を確保し、将来のヒット商品からの乗り換えの一ステップとすることが考えられます。

特に一時的な利益の増大傾向があるときには、スポンサー側も開発企業としてのリスクヘッジとして利用できます。米国内での税制は詳しくはありませんが、開発費として計上できる部分もあり、節税にも貢献するはずです。


2.開発企業は国内での開発、製造、販売に専念し、スポンサーは、自ら製造、販売等はせず、第三者に製造販売などをさせるパターン。

基本的には先の例と同じなのですが、スポンサーの側が開発企業とは業種が異なるというような場合でも、スポンサーになる価値はあるという意味です。

米国での実施権を確保するということは、自ら実施しなければならないということを意味するわけではありません。他の人にやらせてロイヤリティを得るということが可能です。

ただし、開発企業にとっては誰彼関係なく実施させてしまうとノウハウの流出などに繋がるという不安も残ります。従って、ロイヤリティ収入の道を探る場合は、どのような相手になら契約しても良いのかという約束事を考慮しておくと良いと思います。

さらに、ロイヤリティ契約ですと、相手が見つからないと開発企業の側にお金が入ってこないということもあり得ます。特に、スポンサー側のやる気次第ということになると、大変な目に遭いかねません。

従って、このような場合は最低保障のような事項は入れておくべきと思います。

今日のところはこれくらいにして、また、次回以降、話を進めていきたいと思います。
2007年07月31日 04:14