面接

審判官と面接をしました。特許庁の手続きは原則として書類上の審査で、これを書面主義といいます。しかし、書面主義では肝心の要点が見えないことがあるなどの欠点がありますから、それを補うという意味で面接して主張の内容を明確にすることができます。

今回は、ある装置の特許なのですが、その装置自体はとても大きいので持っていくわけにはいかず、その装置で作られる製品を持っていきました。

特許庁から指摘された公知の資料は机の上に乗るようなものであるのに対し、こちらは新幹線に乗せていくことを躊躇するほどの大きさです。

審査官は大きさを考慮することなく拒絶してきました。いわゆる当業者であれば公知の資料から容易に想定し得るというのです。

机の上に載る装置を開発している開発者が乗用車ほどの大きさの装置の資料を見て自分の装置に活かすということなどあり得ないですがそこはそれお役所ですから、勤務時間中はその日の帰りの電車の混み具合程度しか考えていません。

面接ではその製品を見せ、主張を明らかにしつつ、主張の根拠を示しました。結果的には主張通り、特許にはなりました。成功したのでクライアントからは成功謝金ももらえます。

ちなみに、私は普通は一人で行って説明をするのですが、今回の審判長はそれが珍しいことだと力説していました。普通、中小企業の社長がどうしても拒絶は納得がいかないということで面接にのぞみ、いろいろ主張するとのことです。

「一人で来て特許になることを力説する弁理士先生は珍しいですよ。」と言われたことをほめ言葉か馬鹿にされたのかどちらだろうかと悩みつつも、特許になったのだからまあいいかと納得して特許庁を出ました。

面接は特許庁の前にあるJTビルで行いました。既に特許庁のビルは手狭で借りているようです。東京はお金の流れがいいのでしょうね。アメリカも流れがよいですし。

帰りに秋葉に寄りました。子供へのお土産にプラズマプレートのジャンクを買いました。10個に1個は不良品とのことで250円でした。安っ!こんなものでも特許は取られているはずです。特許権は役割を果たしているのかと思いつつ帰りました。
2007年06月16日 10:20