サブマリン特許(1)

サブマリン特許とは、そこに何か存在しているのだけど周りからは見えず、いつ何時浮上して現れてくるか分からない特許という説明が分かりやすいでしょうか?

もう少し言い換えると、サブマリン特許は、まだ特許庁で審査されていて最終的な判断が降りていないものです。特許庁の審査次第で将来特許になるかもしれません。特徴的なのは審査の期間が極めて長期化しており、既にその発明を実施している企業などが沢山いるので、今更特許になると世の中は大変混乱する可能性があります。

先日、特許の存続期間について、特許権の始まりは不定だが、終わりは出願の日から20年と決められている旨を説明したかと思います。始まりが不定なのはいくつかの要素がありますが、そもそも特許庁での審査が終わってからということになりますから、その時期はある程度不定です。

そして、「特許になったときから15年間」という決め方は筋が通ってはいるものの、特許の終わりがあまりにも先になると他の人が困ったり、意図的に審査を遅くさせるといった不誠実なことも起こりえるので、終わりについては出願の日に関わらずに決めました。

また、特許庁の審査期間は、世の中の流れの速さとは無関係なため、審査が長引いたときに陳腐化した技術でも特許権が存続し続けるのは好ましくないという配慮がありました。

諸外国が特許権の存続間にこのような制限を課す中、アメリカはこのような終わりを定めるという方式をとっていませんでした。従って、どんなに審査が長引いて権利の開始が遅れようとも、原則通り、権利が与えられてから17年間は権利を保障されていました。

サブマリン特許の出願自体はかなり古いものです。30年?40年経っているかもしれません。それが今頃になって浮上してきて特許権として始動し始め、さらにまだ17年間も続くという一つめの理由が以上の理由です。ですが、サブマリン特許を生む理由はもう一つあります。

それは次回ということで。
2007年05月28日 22:47